初等科習字教科書をお手本にしたい!

コラム

おはようございます。いろは君です!
今日も戦前の初等科習字教科書(教師用)についてです。

明治節 菊の花
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現代の書道教育がどのようなものであるか知らないのですが、戦前の初等科習字教科書(昭和16年発行)の内容は大変優れていると思います。
まず、書道に対する心構えについて重点が置かれています。
戦前のため、皇國の道の修練として書かれていますが、「精神の訓練のもとに藝術と技能の修練、情操の醇化(じゅんか)が図られる・・・」とあります。
武道、茶道の稽古のような道の修練が重要とあります。

心構えだけでなく、指導内容も優れていると思います。
躾・姿勢については、「衛生保健の立場からばかりでなく、能率的とか藝術的とかの立場からも注意せねばならぬ。即ち仕事に対する気魄や氣合などの心構えの表れとしての姿勢を考え、所謂構へとして精神的で合理的でしかも自然に安らかであるやうに指導せねばならぬ。」などなどあり、道の修練上の上で欠かせない躾・姿勢についても重要視されています。

習字教育の項目は、初等科6年生までで、平カナ、片カナ、楷書、行書、漢字かな混じり文までになっている。
さらに、その後の高等科2年は草書、草カナまでとなっている。
現代ではほぼ全くといっていいほど使わない草書は、戦前までは高等科に通っていたら習っていたことになります!
また、指導法についても懇切丁寧な内容でした。

また空海や藤原行成などの書道の鑑賞や書道の修練で大成した山岡鐵舟や東郷平八郎などの書話もあり大変興味深いです。

単にお手本の文字の習得だけでなく、古今の名蹟や偉人の墨蹟等の鑑賞をも通して、情操を高め、工夫創造の能を養い、心身一如の境地まで導きたいという内容で驚きました!これを編集された方々の書道教育に対する熱い情熱を感じ、感動しました!
しかし、昭和18年頃の教科書にもなると、お手本の内容も戦意高揚のようなものに変わりました。そのためもあり、戦後の書写教育の教科書も改訂されたことでしょう。
現代の書写教育も優れていることだと思いますが、戦前の教科書に惹かれるものを感じました。

いろは君は、書道の先生について古典の臨書などの書道をしていますが、初等科習字教科書もお手本にして、書道の修練に励みたいと思いました!

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