『手書きの常識』静岡大学平形精逸名誉教授 講演会(その2)

コラム

おはようございます。いろは君です!
昨日の続きで、12月13日(日)に静岡市で行われた静岡大学名誉教授、平形精逸先生の講演会についてです。

講演会の内容は、主に下記の3点でした。
それは、➀字源、➁書と文字は違う、③書写力、についてでした。
どれも興味深い内容でした。

➀字源
今では字源をあまり気にしませんが、昔は字源から名前がつけられているものがあり、例として、上弦の月と下弦の月の意味を教えてくださいました。
中学校理科でやるのでしょうが、どちらが上弦でどちらが下弦か?わかりますか?
正直、いろは君はわかっていませんでした(^^ゞ
なので、テストのときは暗記して覚えていました(^^ゞ
でも、字源を知れば簡単です!
弦の旁の玄の字には、黒という意味があるそうです。そういえば、風水でも北は玄武で黒を表すといわれています。
なので、深夜に月が欠けている部分(黒い部分)が上か下かで、上弦の月か下弦の月と呼んでいるのでした!
このように、字源を知れば、納得の事もありますね!

➁書と文字は違う
いろは君は、筆跡診断の勉強を始めるまで、書の魅力というものがわかりませんでした。正直、今も少し感じるようになってきた程度ですが・・・
文字というのは相手に何が書かれているか伝えるものなので、正確に書くべきですが、書というのは、点画や太細(たいさい)や余白の広狭、さらに千変変化する線の表情を通して表現された、その人の個性や生命の輝きを表した藝術のようです。
なので、書は必ずしも読める必要はないとのことです。
洋画家で書でも有名な中川一政さんは、「書のわからぬ人は読みたがる」といったそうですが、いろは君はまさに‟読みたがる”人ですね(笑)

③書写力
楷書における文字の整え方についてのお話でした。
バランスよく書くのが重要で、例えば、「三」の字は真ん中の線が短く、下の線は反るとバランスが取れるとか言われます。そしてお手本に「三」の字の空白部分に〇や矢印でどのように配置するか書かれています。
どのような字のお手本もそのように書かれていますが、なぜそうするとバランスが良いか、については感覚的で説明があまりないと思います。
それを、平形精逸先生は理論的、物理的に例を挙げて、場(空白)の力でご説明されていて、それがわかりやすかったです。

いろいろと勉強になりましたが、詳しくお知りになりたい方は、書道教育界の第一人者である平形精逸先生の新刊本『手書きの常識』(東京書籍)をぜひご覧くださいませ。

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