霞ヶ浦『予科練平和記念館』(1)

コラム

茨城・霞ヶ浦の南側、稲敷郡阿見町に「予科練平和記念館」がある。

戦前、この地に「海軍飛行予科練習部」(通称:予科練)があり、全国の予科練教育・訓練の中心的な役割を担っていた。

令和二年度のNHK朝の連続テレビ小説『エール』で、主人公のモデル・古関裕而が、霞ヶ浦の予科練に入隊、予科練の歌『若鷲の歌』を作曲したことを知った。ドラマでは、あどけない十代の少年が、お国のために立派な飛行兵に育っていく姿と、戦意高揚の作曲をする古関裕而の苦悩が描かれていた。それを見て以来、同記念館を訪ねたいと思っていた。

同記念館は、霞ヶ浦平和記念公園内にある。近くに流行りのアウトレットモールがあり、郊外の平和な風景が広がる。園内には、大きな芝生広場や遊具があり、市民の憩いの場になっている。

しかし、同記念館のそばに行くと、日本海軍航空隊のシンボル「零戦」と、特攻専用兵器(人間魚雷)の実物大模型があり、戦争関連施設があったことを物語っている。昭和五年、第一次世界大戦以降、航空機需要が高まり、「予科練」教育が始まった。欧米列強に遅れまいと、優秀な搭乗員を育成した。当初は、神奈川県横須賀にあったが、東洋一の航空基地といわれた「霞ヶ浦海軍航空隊」のそばに、昭和十四年に移転した。そして、十五年間で約二十四万人もが入隊したという。
(つづく)

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