墨のいろは ~墨の摺り方~

            

墨の摺り方に、正式なものがあるだろうか?墨メーカーの墨運堂さんにおすすめの摺り方を聞いた。

➀少しずつ陸で摺るべし!

 硯の陸のへこんでいない平らな部分で、少し水を垂らして、墨を摺り、硯の海のへこみに流す。それを繰り返す。凹んでいる海の部分で摺ってはいけない。なぜなら、海の部分

では墨が水にどっぷりと浸かった状態なり、ひび割れの原因なるからだ。

➁円を描くように摺るべし

 奈良の老舗墨メーカーの古梅園の江戸時代の古文書には、墨は円を描くように摺るべしとあるらしい。前後に摺ると、手前に墨が飛んだり、硯の淵にはみ出したりしやすい。

➂力を入れずに摺る

 墨は病人や子供に摺らせろ!と言われることもある。要するに力一杯ぐいぐいと摺らない方がよい。

④硯を手入れすべし

 墨の発色がきれいでない場合、硯の手入れしていないことが多い。硯は、石なので細かい凹凸がある。その凹みに墨が付着する。そのため、良く洗い、たまには濡れたティッシュで、凹みの墨を取り除くとよい。本などに、サンドペーパーや砥石で硯を磨く方法が載っていることがあるが、硯の形を変えてしまう怖れがあり、素人ははやらない方がよい。

以上

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