生誕百五十年記念展 板谷波山の陶芸(1)~麗しき作品~

感謝・感動・歓喜!

半年前、茨城県下館(現筑西市)にある「板谷波山記念館」を訪ねた。そこで、板谷波山の陶芸に感銘を受けた。そして、令和4年(2022)4月16日から6月19日にかけて、「生誕百五十年記念展・板谷波山の陶芸―麗しき作品と生涯」があると知った。全国の波山作品が記念展のために集まると聞き、訪ねた。
記念展は、同館のほか、筑西市にある「しもだて美術館」、「廣澤美術館」の三つの施設で開催されている。まず記念館を訪ねた。

同館は、幼少年期と晩年の一時期を過ごした生家が残り、六十年余りにわたる創作の舞台であった東京・田端の工房が移築展示されている。

また、展示館には波山ゆかりの品々があり、波山芸術創造の背景を肌で感じることができる。

鳩杖
忠勇義烈の香炉
観音像

今回の展示は、昭和8年から、自らが数え80歳になる昭和26年まで、故郷・下館の80歳以上の人に毎年贈り続けた「鳩杖」が展示されていた。長寿祝いと健康で長生きしてください、という想いが込められている。

また、下館の戦没者遺族に贈った「忠勇義烈」の文字を刻んだ香炉や、「観音像」も展示されていた。故郷想いで、慈しみに溢れたエピソードの数々に感動した。

続いて、記念館から徒歩五分、下館の中心地にある「しもだて美術館」を訪ねた。

同美術館は、故郷ゆかりの作家の作品を展示する常設の所蔵品展があり、波山作品も常に二点ほど展示されている。今回の記念展では、全展示室を使い、なんと百二十点が展示されていた。

エピソードとともに、作陶の変遷がわかるように展示されていて見応えがあった。国重要文化財の「葆光彩磁珍果文花瓶」(泉屋博古館東京蔵)や出光美術館、東京国立近代美術館などに所蔵されている数々の麗しい陶芸作品を鑑賞することができ感動した。

最後に、「廣澤美術館」を訪ねた。同美術館は、百万㎡を超えるテーマパーク内にある。

廣澤美術館

隅研吾が設計した巨石で美術館が覆われた同館には、日本の代表的な芸術家の作品が収蔵されている。今回は、波山の作品が50点以上展示されていた。

その他に庭園やゴルフ場、バーベキュー場などもあり、スケールの大きさに驚く。三つの施設を見学するなかで、この地を見守るかのような二つの山頂が目に入る。

波山の号の由来である筑波山である。

波山の落款には、筑波山を模したものもある。

風光明媚な筑波山とともに、たくさんの波山作品を堪能することができ、感動した!

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