稀代のジャーナリスト・徳富蘇峰に感動! 山王草堂記念館

感謝・感動・歓喜!

東京の大田区山王、馬込界隈は、落ち着いた閑静な住宅街で景観が良い。

もともとは、風光明媚な景勝地であり、明治期には政治家、実業家の別荘があった。

大正末期から昭和初期にかけては、多くの文士、芸術家が住み、「馬込文士村」と呼ばれていた。

文士たちが住んでいた場所には、記念館や居住跡案内板があり、散歩しながら楽しめる。

蘇峰公園入口の石段
蘇峰公園内

その界隈に、「蘇峰公園」がある。ジャーナリスト・徳富蘇峰の居宅があった地だ。

園内に「大田区立山王草堂記念館」がある。どんな人か知らなかったので、入ってみることにした。

同氏は、大正13年(1924)に、ここに居宅を建てて「山王草堂」と称した。以後、昭和18年(1943)に熱海に転居するまで、約二十年間を過ごした。

館内には、旧宅の一部とゆかりの資料が公開されている。20代からジャーナリストとして活躍し、日本で最初の総合雑誌「国民之友」の発行や、「国民新聞」を創刊した。

山王草堂記念館 入口
山王草堂記念館の由来

56歳から、35年の歳月をかけて「近世日本国民史」全百巻5万頁を書き上げた。館内に全巻展示されており、その膨大な量に驚く。

復元された書斎は、氏を取り囲むように馬蹄形をしていて、膨大な資料を並べて書いていたことがわかる。達筆で迫力のある自筆の扁額や屏風などの書もある。

近世日本国民史全巻
馬蹄形の書斎
徳富蘇峰筆 和楽

その他、明治、大正、昭和に活躍した政治家、実業家、作家などとやり取りした手紙も展示されており、幅広い交友関係にも驚く。

昭和32年(1957)に、95歳で亡くなるまで、数多くの執筆を残した。〝文章報国〟に捧げた生涯だった。
稀代のジャーナリストとして、現代ジャーナリズムに残した業績も大きい。

徳富蘇峰と勝海舟
著名人との交流資料

蘇峰の書生に、大石光之助がいる。国民新聞社に入社し、後に静岡新聞社を創業し、静岡放送も創立した。生涯、師を尊敬し、蘇峰死後、GHQによって解散させられた「蘇峰会」を再発足させた。

今も、静岡新聞社により「公益財団法人蘇峰会」の活動が続いている。この記念館がある公園も、同新聞社が所有していたものを、大田区に譲ったものである。

地元の静岡新聞社が、徳富蘇峰と深いつながりがあると知り、嬉しかった。「蘇峰記念館」は、神奈川・二宮町と山中湖、熊本にもがあるという。ぜひ訪ねてみたい。

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