三備一宮・吉備津神社

感謝・感動・歓喜!

岡山市は、歴史と文化が溢れる街だ。

JR岡山駅を降りると、東口にシンボルの桃太郎像がある。イヌ、サル、キジをお供に従え凛々しい姿で街を見守っている。

駅前から真っすぐに伸びる桃太郎大通りの先に、岡山城や後楽園がある。ここは桃太郎伝説発祥の地で、もともとは吉備の国といわれていた。

そのゆかりがある「三備一宮・吉備津神社」に参拝した。

岡山駅前 桃太郎像
岡山城

同神社のご祭神は、大吉備津彦命である。『古事記』、『日本書紀』によると、大吉備津彦命は、第7代考霊天皇の皇子として生まれた。第10代崇神天皇の御代、国土統一の為に四方に派遣された四道将軍のひとりとして、この地に派遣された。

悪事を働いて人々を困らせていた温羅を、犬飼部の犬飼健命、猿飼部の楽々森彦、鳥飼部の留玉臣命の三人の家来を率いて平定した。そして、この地に茅葺宮を営まれ、人々の為に殖産を教え、仁政を行った。その徳を偲んで、吉備国の祖神として崇められている。

大吉備津彦命が、温羅を退治した話しが、桃太郎伝説のもとになっている。

境内には、戦いの最中に矢を置いた矢置石があり、それにちなんで矢立の神事が行われている。また、退治された鬼の首が埋めてあると伝えられる御竈殿(国指定重要文化財)があり、釜の鳴動で吉凶を占う鳴釜神事も行われている。

比翼入母屋造の本殿
参道

矢置き石

本殿、拝殿の建築様式は、「比翼入母屋造」と云い、全国唯一の「吉備津造」とも称され、国宝である。また、360mにも及ぶ自然の地形を生かした回廊が圧巻である。

360mの回廊
犬養毅書の社号と本殿

神社背後の中山には、ご祭神の御陵といわれる前方後円墳がある。建築様式、神事、桃太郎伝説など他に類をみない独特な神社で興味深い。

もう一つ気になったものがある。それは社号標である。いくつかあるが、どれも力強く、達筆に書かれている。かなりの能書家が書いたとわかるその書は、「五・一五事件」で暗殺された犬養首相によるものだった。

犬養毅像
社号 犬養毅書

そして、境内駐車場には、大きくそびえ立つ犬養毅像もある。同氏は、近くの大庄屋で産まれた郷土の偉人である。また、祖先はご祭神といっしょに温羅を退治した犬養健命といわれ、神社にゆかりのある人物だった。車で七、八分のところには、犬養毅を顕彰する「犬養木堂記念館」や生家がある。

また、神社から一般道で徒歩30分ほどのところに、「備前一宮・吉備津彦神社」もある。

お表参道表参道

本殿
日本一といわれる石灯籠

ご祭神は同じく大吉備津彦命で、吉備国を平定された後に、永住した屋敷跡に社殿が建てられたのがはじまりである。境内には、温羅神社もあり、温羅の御魂をお祀りしている。

両神社周辺の吉備路はのどかである。温羅がこもったとされる「鬼ノ城」など桃太郎伝説のゆかりの地がいくつかあり、ゆっくりと歴史ロマンを感じつつ訪ねてみたい。

コメント

タイトルとURLをコピーしました