稲田石・石切山脈(その2) ~地図にない湖~

感謝・感動・歓喜!

稲田石の石切山脈は、〝茨城のグランドキャニオン〟とか、〝地図にない湖〟とも呼ばれている。

確かに、切り立った岩壁が連なり、グランドキャニオンを思わせるほどの絶景である。また、現在は採石を休止している「前山採石場」は、岩盤から染み出た水や雨水によって、湖のようになっており、〝地図にない湖〟と呼ばれているのも納得できる。

前山砕石場 上から
前山砕石場 中から

二〇二〇年から見学できるようになり、マスコミで取り上げられ、写真を見たことはあった。はじめて見た実物の迫力は凄い!

約六千年前にできた岩盤の大自然と、百年以上かけて、湖になってしまうほどの深さ六十五mまで採石し続けた人の情熱に驚く。

「前山採石場」のほかに、約六十年前に採石がはじまった「奥山採石場」も見学した。現在も採石が行われていて、いたるところに切り取った大きな石がある。採石方法は、主に火薬を使って石を岩盤から剥がして、ワイヤーなどで石を切っていくそうだ。

奥山砕石場 岩壁
奥山砕石場 切り出した石
奥山砕石場 砕石現場

岩盤から剥がした時の石の重量は、千t以上の塊で、それを約二十tにまで細かくしていく。それから質の良い部分を切りとっていき、一般的に三~四割が良質な製品になるという。そのなかでも、等級ごと分けられる。

残りの六~七割も、埋め立て用などに利用される。また真砂土になったものも、学校のグランドなどに利用され、ほとんど余すことなく活用されているのだ。岩壁を間近で見学することができ、岩盤の隆起や人の手によって採石された痕跡もよく見えて興味深かった。

「石切山脈」には、グラフィックデザイナーと、稲田石の職人の高い技術力によって作られたアートも展示されていて楽しめる。「稲田石」の採石現場を見学してから、建築物の石を見るのが楽しみになった。

いろは君の産土神、氏神様的存在である静岡浅間神社の参道床石も「稲田石」だという。さっそく、見に行ってみよう!

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