御殿場 東山旧岸邸

感謝・感動・歓喜!

建築に携わる仕事をするようになり、建築設計士や大工、工務店の方と接する機会が多くなった。

そのため、建築の工法に触れる機会が多く、民家建築に興味を持つようになった。

思えば、子供の頃から、プラモデルは当時流行っていた「ミニ四駆」より、「姫路城」などの城作りの方が好きだったから、元々、渋いものが好きなのだろう(笑)

近代民家建築のなかで、伝統的な数寄屋建築と最先端の素材、機能を融合させた名建築といわれるものが御殿場にある。それは、前阿部首相のお爺さんで、第五十七代首相の岸信介の邸宅だ。

現在、御殿場市の所有となり「東山旧岸邸」として一般公開されている。

山門
書斎

近代数寄屋建築の祖とされる建築家・吉田五十八が設計し、昭和四十四年(一九六九年)に完成した。岸信介は、富士山を望むこの邸宅で、晩年の七十三歳から九〇歳まで住んだ。

山門から邸宅入口まで歩いて三分ほどかかる。敷地面積五六六九・一七㎡(約千七百坪)の広い敷地だ。庭園も邸宅も手入れが行き届き、きれいに保存されている。

派手な装飾はなく、質素でシンプルである。銘木や竹などの伝統的な素材を多く使っているが、随所に塩化ビニールやアルミなどの当時最先端の工業生産材料も使われている。それが伝統的なものと、溶け込むように使われていて驚く。

客間からの庭の眺め
食卓からの庭の眺め

政治家の家としての機能と、部屋を広く見せる、庭を大きな絵画に目立てるなどの工夫が随所に溢れている。延床面積五六七・六六㎡(約百七十坪)の大邸宅がシンプルに統一され、美に溢れている。シンプルな素材の良さを引き立たせるのが最高の建築と感じさせられた。

敷地内には、東京・虎屋が運営する和菓子「とらや工房」があり、和菓子と喫茶を楽しめる。あんこに目がないいろは君は、大福、どらやき、あんみつを食べた。それぞれに、あんこの甘さを変えて、小豆の素材の良さを引き立たせていて感動した!

とらや工房

「東山旧岸邸」で、建築にも和菓子にも、素材の良さとそれを引き立てることが美である、ということを実感した。

感謝、感動、歓喜!!!

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