目の霊山 遠州三山・油山寺

感謝・感動・歓喜!

静岡県袋井市は、東海道のど真ん中にある。

東海道53次・袋井宿が、真ん中の27番目の宿場町だったからである。市内には、今も旧東海道の松並木が長さ1.5kmに渡り残り、街道の面影を残している。

その袋井には、遠州三山といわれる古刹がある。「厄除けだんご」が有名な法多山尊永寺、秋葉山本殿・可睡斎、そして目の霊山として名高い醫王山油山寺である。

この三山は修行道場であるが、季節を彩る植物や催事、名物があり観光名所にもなっている。これまで、法多山と可睡斎には参詣したことがあった。今回、油山寺に山岡鐵舟の書があるという話を聞き、初めて参詣した。

油山寺入口
山門

醫王山油山寺は、薬師如来をご本尊とし、数多くの諸天善神がお祀りされている真言宗の古刹である。約1300年前の大宝元年(701)に行基上人が万民和楽と無病息災を誓願、一刀三礼薬師如来を彫刻され、この霊山に奉安したことに由来する。

その昔、山中より油が湧き出ていたので油山寺と寺号が付けられた。

境内でまず目につくのが、立派な山門である。元掛川城大手門で、明治になり掛川城廃城の際、移築された。元々は、万治2年(1659)に井伊直好が創建したもので、450年以上の歴史を誇る国の重要文化財である。

原始的な広葉樹の森が広がる自然豊かな境内の山には、弘法大師像や茶祖・栄西禅師像などもある。

1番上にご本尊の薬師本堂があり、今川義元公寄進の御本尊厨子がある。本堂の前には、桃山時代の三名塔といわれる三重塔がある。どちらも国の重要文化財に指定されている。

薬師本堂
三重塔

‟目の霊山„の由縁は、天平勝宝元年(七四九)に考謙天皇が眼病の折、同山薬師如来に祈願し、るりの滝水を加持祈祷し、その霊水にて玉眼を千序されて全快したことによる。以後、永代勅願寺と定められ、遠州では熱く信仰されてきた。

私が見たかった山岡鐵舟の書は、移築された元禄時代横須賀城の書院の中に、勝海舟、高橋泥舟の書とともにあった。宝生殿内には、三舟揃い踏みの書もあった。

るりの滝
宝生殿
書院

その他にも、宝生殿、書院、方丈で多数の美術品を拝観することができる。

油山寺境内で誕生し、明治から昭和にかけて活躍された日本書道界の第一人者・川村驥山先生の書もあり、その迫力にも感動した。

遠州三山をすべて巡ったが、どれもが自然の山と一帯となった信仰があり、各々に名物があり楽しめる。三山ともにまさに名刹であり感動した!

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