ふくやま文化ゾーン(その2)                 ~草戸千軒ミュージーアムと美術館、文学館~

感謝・感動・歓喜!

全国に城址は多数ある。その多くは現在も町の中心地にあり、官公庁や学校がある。

しかし、福山は違う。城址は、博物館や美術館、文学館など文化的施設ばかりで‟福山文化ゾーン”と呼ばれている。度々、福山の地を訪れるうちに、この文化ゾーンに興味を惹かれ、一つずつ見学をした。

草戸千軒ミュージーアム(広島県立歴史博物館)
館内 草戸千軒再現施設

まず、「草戸千軒ミュージーアム」(広島県立歴史博物館)を訪ねた。古代から福山の歴史を知ることができる。草戸千軒とは、福山市街地の西部を流れる芦田川の川底に埋もれた我が国を代表する中世の集落跡のことだ。

古代、この地は「穴の海」と称され、内陸部まで海水が流入していたといわれる。次第に土砂が堆積していったが、江戸時代まで湿地帯だった。

これを初代福山藩主、水野勝成公が、川筋を整えて城下町を作った。そして、土木工事を実施、干拓や開墾により田畑を増大させた。

塩分が多い干拓地だった為、稲作に向かず綿花や畳などの産業奨励をした。備後絣の特産品を産み、繊維産業が盛んだ。さらに現在は鉄鋼業、機械工業なども盛んで工業都市の側面を持つ。

ふくやま美術館 館内
ふくやま書道美術館

文化ゾーンには、二つの美術館がある。「ふくやま美術館」と「ふくやま書道美術館」だ。同じ建物内にあるが、書道の美術館があるのは珍しい。

美術より書道に関心があるので、書道美術館しか見ない。頻繁に展示替えがされ、貴重な書が展示されている。書道を楽しむ為の企画、工夫があり、書道熱が高い。

他に「ふくやま文学館」もある。福山出身の井伏鱒二などのゆかりの作家の常設展示と企画展示がある。福山ゆかりの作家を知らなかったが、建物がユニークで立派な文学館だ。

ふくやま文学館
バラと福山城

貴重な建築物としては「福寿会館」もある。海産物商で財を成した安部和助が、昭和初期に建造したもので、日本建築の本館や茶室と洋館があり、すべてが国の登録有形文化財だ。

今ではあまり見ることができない昭和初期の建築美を堪能できる。広間から眺める日本庭園、そして贅沢な借景が奥控えに見える福山城の眺望が素晴らしい。

この‟ふくやま文化ゾーン”では、バラを見かける。福山は〝ばらのまち〟としても有名だ。

福山は工業も盛んだが、この文化ゾーンで文化の香りも高い街であることを実感する。

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