文化・芸術の街 古河

感謝・感動・歓喜!

古河の文化施設は、JR古河駅から徒歩圏内にまとまっている。

JRの在来線で、都心から約一時間で行くことができ、気軽に小旅行で行ける街だ。

城下町として栄えた街の中心地、古河城出城跡に「古河歴史博物館」がある。平成三年開館で、平成四年(一九九二年)に日本建築学会賞を受賞するなど、周辺の景観と溶け込む素晴らしい建物だ。

この博物館では、古河の歴史がよくわかる。

訪ねたときは、開館三〇周年記念の「国宝参上。」の企画展をしていた。国宝で、東京国立博物館所蔵の、渡辺崋山による「鷹見泉石像」などの貴重な文化財を拝見することができ、感動した。

鷹見泉石記念館
古河城址界隈

別館が、「鷹見泉石記念館」になっている。古河藩家老で、蘭学者でもあった鷹見泉石が最晩年を送った武家屋敷である。

約四百年前、寛永一〇年(一六三三年)、古河城主土井利勝が、古河城の三階櫓を造ったときの残り材を使って建てたと伝えられている。

平成二年に解体修理及び一部改修されているが、存分に当時の武家屋敷の風情を感じることができる。まるで、江戸時代にタイムスリップしたかのような氣になる。その他、古河出身で、明治時代を代表する南画家・奥原晴湖の熊谷から移築した画室もある。

同博物館のすぐ近く、古河城諏訪郭跡の地に「古河文学館」がある。

古河文学館外観
古河文学館室内

平成十年開館で、「茨城県建築文化賞最優秀賞」などを受賞した、大正ロマン漂うお洒落な建物である。木肌の温もりが漂う館内の内装も素敵である。

古河出身の歴史小説家・永井路子ほか、古河ゆかりの文学者の作品や原稿、ゆかりの品が展示されている。文学講座なども開催されていて、素晴らしい芸術文化の発信拠点がある。

古河で忘れてはならない文化施設が、もう一つある。

それは、平成三年に開館した「篆刻美術館」である。

日本で唯一の篆刻専門の美術館として知られている。大正九年に建築された石蔵が展示室になっていて、国の登録文化財である。私は書道をしているが、篆刻はしておらず、よくわからない。

しかし、篆刻の説明の中で、「書の一部として、文字と言葉に関する知識が必要で、美を意識できる感性を要求されることから、文人の最高の趣味として継承されてきた芸術である。」とあった。

確かに、昔の文人墨客は、一人で数多くの印を持っていた。

黒い墨の字に、紅い印が入ると締まる。奥が深い篆刻の世界を知ることができた。

篆刻美術館
篆刻美術館の蔵
永井路子旧宅

その他、JR古河駅周辺には、「古河街角美術館」や「永井路子旧宅」があり、街を散策しながら見るのもよい。全国には文化施設がたくさんある。しかし、公共の文化施設は、景観が良いものばかりではない。軒並み、景観が素敵な古河の文化施設に、文化・芸術活動が盛んな街だと感じた。

情緒豊かな古河の街に、感謝、感動、歓喜した!

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