伊能忠敬記念館の近くに「伊能忠敬旧宅」がある。
伊能忠敬翁が十七歳から五十歳で江戸に出るまで過ごした家で、国の史跡に指定されている。旧宅の正面には、小野川の荷揚げ場があり、物資を舟で流通させていたことがわかる。今は観光船の船着き場になっている。



醸造業などを営んでいた土蔵造りの店舗のほか、炊事場、書院、土蔵が残っている。江戸時代の商家造りを見学できる貴重な施設だ。伊能家は名主で豪商であったが、派手な家ではなく質素な造りなのが、翁らしいと感じた。庭には、翁の銅像と二つの石碑がある。一つは「この一歩」というもの。もう一つは翁の家訓が彫られていた。
それによると、
「㐧一 仮にも偽をせず、孝悌忠信にして正直なるへし」
「第二 身の上の人ハ勿論、身下の人にても教訓意見あらば急度相用堅く守るへし」
「第三 篤敬謙譲にて言語進退を寛裕ニ諸事謙り敬ミ、少も人と争論など成べからず」
とあった。
つまり、偽らずに正直でいること、良い意見は目下の人からも取り入れること、謙虚、寛容で人と争わないこと、というものである。シンプルだが、なかなかできることではない。
しかし、この精神があったからこそ、翁は大偉業を実現できたのだろう!
いろは君も、この家訓を見習っていきたい。
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