府中といえば

感謝・感動・歓喜!

 府中といえば、一般的に東京都府中市のことをいう。東京競馬場があり、東芝などの大手企業があり、自然が豊かな環境で人気が高い街だ。古代の律令時代、武蔵国府が置かれていた。

しかし、西日本で府中といえば、広島県府中市のことを言う。家具の産地として有名で、律令時代、備後国府が置かれていた地だ。

他にも市町村名にはなっていないが、律令時代、国府があった名残で府中という地名がある。

私は府中と言えば、東京の府中市であり、広島の府中市のことは思い浮かべない。しかし、広島の府中に行くと、その魅力に惹かれる。

 広島の府中市は、広島県東南部に位置し、瀬戸内海の福山、尾道の内陸部にある。人口約4万人の小さな街である。

府中市街
金比羅神社 日本一の石灯籠

現在は福山など瀬戸内海沿岸の都市が発展しているが、古代の海岸線はもっと入り混んでいた。現在の福山市街地の大部分は江戸時代の埋立地の上に広がっているのだ。

その為、古代律令時代には備後国の国府が置かれた府中がこの地方の中心地であった。備後国一之宮・吉備津神社が、市町村合併で福山市になったが府中に隣接する旧新市町にあることからも、この地が備後の中心だったことがよくわかる。

備後国一宮 吉備津神社入口
鳥居
本殿

現在は福山が備後の中心地として発展を遂げ、府中という名がなければ、昔はここが備後の中心だったとは誰も思わないほど小さな街である。

 府中にはのどかな昭和風情の街並みが残っており、時間がゆったりと流れている。江戸時代に栄えた石見銀山を結ぶ石州街道の面影も残る。

幕府の天領だった上下地区は、タイムスリップしたかのような街並みだ。

小さな街だが産業も発展している。〝府中家具〟の産地としてだけでなく、製造業が盛んである。

ダイカスト製造大手「リョービ」や「北川鉄工所」など上場企業4社が本社を置く。その他、「洋服の青山」を展開する青山商事など現在は府中に本社を置いていないが、府中発祥の企業も多い。

広島・府中市はのどかで小さな街であるが、かつては備後の中心地であった誇りがあり、人情味とバイタリティに溢れている。
府中といえば広島じゃけんのう!

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