京都市内から京都縦貫自動車道を通って、丹波国に入ると、風景が変わる。のどかな田畑と古い民家が、日本の原風景を感じさせる。
一時間半ほどで「日本三景・天の橋立」に近い、宮津天橋立ICに着く。宮津市街も古い街並みで風情がある。観光地には節操がない看板や施設がありがちであるが、そのようなものはなく、古き良きものが残っている。
入り組んだ海岸線に穏やかな海の宮津湾が眩しく光る。とても恵みが豊かな地である。
「天の橋立」は、宮津湾と阿蘇海に横たわる約3.6㎞に及ぶ砂嘴(さし)が作り上げた神秘の造形で、約八千本の黒松が生い茂っている。

日本三景
「丹波国風土記逸文」には、国を生まれた伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が天に通うために梯を作られたが、尊が寝ていられる間に倒れ伏した」と記されている神秘的な風景である。
古くから文人墨客が訪れ、絵や和歌を残している。それは、古来より青く美しい海と空に融け合う「天の橋立」の景色が、人々を魅了してやまないからであろう。

股のぞきして見ると、龍が天に舞い上がるような姿に見え、「飛龍観」とも呼ばれている。そこで、股のぞきして見ることができる、展望施設「天橋立ビューランド」に立ち寄った。
同施設は、リフトかモノレールでビュースポットまで登る。かつては、宮津の海岸線は巌石(がんせき)が出ていて、飛び石ずたいの所や波がかぶる所もあり、海岸線を歩くのが困難だった。そのため、山越しして麓の渡舟場まで降りて、渡舟で「天の橋立」に渡り、参詣や見物をしていたという。
その当時の山路の台地に作られた施設で、昔と変わらない場所から絶景を眺めることができる。ビュースポットからは、穏やかで澄んだ青い海と空に、「天の橋立」の緑の松林が、龍のように見えた!
唯一無二の絶景に、感謝、感動、歓喜した!
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