生誕百五十年記念展 板谷波山の陶芸(2)~生涯~

感謝・感動・歓喜!

記念展は、副タイトルの「麗しき作品と生涯」の通りだった。

百七十点もの作品を鑑賞するとともに、生涯もよくわかった。

波山は、明治5年(1872)生まれで、幼い頃から書画、美術品が身近にある環境にあった。最初は奉公に出されたが、性分に合わなかった。

その後、軍人を目指したが陸軍士官学校の試験に不合格となり夢をあきらめた。そして、美術が好きだったため、東京美術学校彫刻科に入学した。

同校で、岡倉天心、高村光雲から最高の教育を受けた。その後、石川県工業学校(現石川県立工業高等学校)の彫刻科教諭として赴任した。

明治31年(1898)、同校の彫刻科が廃止され、陶磁科の担当となった。この頃から、本格的に陶芸を研究し始めた。

明治36年に陶芸に専念し、後に「葆光彩磁」の技法を開発した。磁器の表面に加飾したのち、葆光釉をかけて艶消しをし、淡い光を放つ作品が特徴である。

葆光釉をかける前に、素地を成形して薄肉彫りをしており、模様が薄く浮かびあがり、立体的な美しさがある。

この技法は、彫刻を学んでいたことが生きている。美を求め、その時々を真剣に生きた結果、師に恵まれ、導きがあったように思える。麗しき作品とともに、美意識溢れる生涯を知り、感動した!

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